透析患者の高リン血症
いったい何がいけないのか?
「サイレントキラー」と呼ばれるくらいなんですから、
それだけ危険で侮ってはいけない指標の一つです。
透析患者の高リン血症の原因
原因は・・・腎不全です(^^;)
リンの排泄が腎臓に依存しているので、
腎臓の機能が低下するにつれ、リンの排出も低下
その結果、体の中にリンが蓄積
透析をすることで、リンも除去されるのですが、除去量としては1/3くらいは残るみたい。
つまり、透析間のリンの増加が多ければ、それだけ除去しきれない量が増えていく
ということですね(>_<)
透析患者の高リン血症の症状
高リン血症自体、大きな症状があるわけではありません。
ただ、
高リン血症が続くことにより、
2次的に症状が出てきます。
これが・・・怖い
サイレントキラーと呼ばれる所以ですね
高リン血症が続くことによって、出てくる症状としては
・動脈硬化
・関節痛
・体の痒み
などなどですね。
透析患者の高リン血症 リンの基準値
透析患者における、リンのコントロールの基準値は
3.5~6.0mg/dL
と、なっています。
私は人によっては
「できれば、5.0以内にして欲しいかな」
って言っています(^^;)
こう言っておけば、だいたい5.5程度に収まってくれますし、それに慣れたら、後は大丈夫です(・∀・)b
透析患者の高リン血症の治療薬
食事内容もそうですが、
上手に治療薬を内服することが重要になってきます
いわゆる、リン吸着剤ですね。
一般名 | 商品名 | 特徴 |
炭酸カルシウム | カルタン | Ca含有されている。Ca上昇に注意が必要。胃酸抑制剤との併用で効果低下 |
塩酸セベラマー | レナジェル、フォスブロック | 血管石灰化進展抑制、リン吸着効果カルタンの1.5倍
便秘 |
ビキサロマー | キックリン | 保存期でも使用可能。便秘が少ない。 |
炭酸ランタン水和物 | ホスレノール | リン吸着効果が高い。
悪心・嘔吐・便秘 |
スクロオキシ水酸化鉄 | ピートル | 黒色便、下痢。 |
クエン酸第二鉄水和物 | リオナ | 鉄含有のため貧血改善効果あり。黒色便。下痢。 |
使用可能なリン吸着材は全部で6つ
それぞれの一般名と商品名、特徴は上記の表通りです。
高リン血症と食事
何だかんだで、
高リン血症で一番注意するのは食事
リンの含有が多い食べ物は減らす必要があります。
もちろん、
好きなものを食べて、リン吸着剤をしっかり飲んで、リンの上昇を減らすというのもありかもしれませんが、
リン吸着剤の内服量が増えますし、便秘になったりと、いいことはありませんね。