透析効率
昔から言われていることですね。
透析効率を上げれば、死亡率が下がる。
大昔には上げ過ぎると、死亡率が逆に上がってしまう(゚д゚)!なんてこともありましたが、それは解析不足ですね(;・∀・)
ということで、今回は透析効率についてまとめてみました
透析効率とは
そもそも透析効率ってなに?
ということですが、
『1回の透析でどれくらい体が綺麗になってのか?』
を示す数値になります。
至適透析ができているのか?改善することは無いか?ということを判断する一つの指標になります。
計算式を見るとこんな感じ↓
透析効率の計算式
これは・・・ややこしい(^^;)
Kt/Vだけを見れば、
K=クリアランス(透析効率) t=透析時間 V=体液量
なので、1回の透析で綺麗にできた体液量ということになります。
Kt/V=1で全身の体液を1回綺麗にできました。ということですね(^-^)
と、単純な話ではなく、
上記の計算に大きく影響しているのが尿素窒素になりますが(クリアランスは尿素窒素の除去量だけを見ている)、尿素窒素が透析される時間はそれぞれですし、細胞壁等の生体内を移動する時の抵抗も考慮する必要が出てきます。
それを考慮してくれているのが
Kt/Vsp(シングルプールモデル)とKt/Ve(daugirdasの式)
になりますが・・・計算式はいろいろ参考にできるサイトがあるのでそれを参考に(^^;)
ただ、どちらの式で計算しても大きく差が出るわけではありません。
透析効率の基準値
こちらも今やあやふやになっている印象です(^^;)
透析効率
つまり、Kt/Vの基準値ですが
一般的には1.2以上
と言われています。
ただ、これはそれぞれの施設の考え方にもよってくると思います。
文献によると、Kt/Vが高ければ高いほど、死亡リスクが下がるという結果もあります。
なので、基準値を1.4以上やそれ以上と決めている施設も多々ありますね。
透析効率の評価
透析効率の評価をどれくらいのペースで行うか?
これもそれぞれの施設によってさまざま
透析効率を評価するには
透析前後のBUNの値が必要になってきます。
なので、タイミングとしては透析前後の採血がある場合になります。
毎月、どちらも採血している場合は後は数式に入れて計算するだけなので、
毎月なのか、2ヶ月毎、半年ごと決めるだけ
私の施設では3ヶ月に1回、透析前後の採血があるので、年4回透析効率を求めています
残念ながらシステムが不完全なこともあって、エクセルに一人ひとり入力していく必要がありますが(^^;)
今時はデーターでもらって、データー移行で一括計算なんてこともできると思うのですが・・・
と、愚痴はここまで。
続いては
透析効率と血流量
こちらは密接な関係になりますね
Kt/Vの
Kのところにダイレクトに影響してきます
透析の除去率は血流量と透析流量、ダイアライザーの膜面積に影響を受けます。
中でも、血流量の影響は大きいです。
血流量が早ければ早いほど、除去率も上がります。
一時流行った高血流量ですが、
どの文献を見るかによって、結果が変わってきます(^^;)
こればかりはどの分野でも同じですね。
とは言っても、
高血流量(QB200以上)にしたところで心臓に負担がかかったり、シャントに悪影響があったりということは無く、
逆に、血流量を上げれば上げるほど、BUNやβ2MGの除去量は増えていく。
これを考えると、
血流量は上げるべきなのかもしれません。
透析効率を上げるには?
・血流量を上げる
・透析流量を上げる
・膜面積を上げる
・透析時間を延ばす
これらになりますね(・∀・)b
※血液透析に限っての話です。
まとめ
ということで、
透析効率のあれこれをまとめてみました。
透析効率とは
1回の透析でどれくらいの体液量が綺麗になったか?の指標
計算式はややこしく、
基準値は1.2以上
血流量に影響を受けて、
透析効率を上げるにはそれぞれの影響ファクターを上げてあげる
これですね(・∀・)b
とは言っても、
透析効率の計算式を見るとわかりますが、
対象は尿素窒素の除去量になります。
もちろん、この指標が良くなれば死亡リスクも下がるのは事実なのですが、
これだけを見てもだめだと思います。
高齢者でBUNがそれほど上がらず、透析効率はめちゃくちゃいいという人は多々いますが、
透析量は足りているかもしれないが、
栄養面は?アルブミンは基準値以上あるのか?筋肉量はどうなのか?
という判断が必要になりますね。
逆に若い方では透析効率が1.4だからよし(・∀・)b
と思っていても、実はI-aの大型膜を使っているなんてことになったら・・・
β2-MGの除去はどうなの?という観点が必要になります。
長い透析人生をよりよくしていくためには透析アミロイドを防ぐのは必須事項だと思います。
という感じで、透析効率はあくまで指標の一つとして重要ですが、
見るべきものは患者本人の状態になると思います。
個人個人年齢も違えば、食事内容も違いますし、ADLも違い、生活環境も変わってきます。
これらを踏まえて、
至適透析を考える必要があるのかもしれません。
※参考にさせていただいたサイト作成者の方には感謝いたします。
また、このサイトは私の勝手な意見も含まれていますので、鵜呑みにせず、ご自身の判断にて理解していただきますようお願いいたします。