透析患者の下剤

臨床工学技士業務関連

透析患者さんの永遠の課題ですね

『便秘症』

透析患者の下剤1

透析患者さんのほとんどの人がこれに悩まされていると思います。

仕方がないこと。

食生活に除水、内服薬、高齢・・・

便秘の原因を上げるときりがないかもしれません(^^;)

 

で、

今回は便秘症の強い味方の『下剤』について

調べたので、まとめておこうと思います。

下剤の種類

透析患者の下剤2

下剤には大きく分類すると

『刺激性』

『非刺激性』

があります。

刺激性は大腸の蠕動運動を強制的に起こさせ、宿便を押し出す薬(センノシド、センナ、漢方各種etc.)

それに対して、

非刺激性は腸内の水分量を増加させ、便を柔らかくする薬(酸化マグネシウム、ルピプロストンetc.)

になります。

便秘に関しては2017年に「慢性便秘症診療ガイドライン 2017」が発行されているのですが、残念ながら原本は南江堂からの販売になるみたいですね(;・∀・)

ガイドラインなら一般開放してもらいたいものですが・・・

透析患者の下剤の選択

上記の種類で透析患者さんでは『非刺激性』の下剤を選択することが良いみたいです

刺激性薬剤は長期服用になると耐性ができ、大量投与になっていくことが多い。

さらには、腸の蠕動運動が自力でできなくなり、薬剤も効かない。

という悪循環に陥る。こうなってくると、排便をするには毎回浣腸を行う必要がでくるみたいです。

 

そうならないためにも、

まずは非刺激性の下剤を使用し、

非刺激性の下剤の調整ができるまで、臨時的に刺激性薬剤を使用する

のが推奨されています。

 

ただ、非刺激性下剤の『塩化マグネシウム』は透析患者さんでは

高マグネシウム血症を起こす可能性があるので注意が必要になります。

透析患者で下痢が続く場合

透析患者さんで下剤を開始してから下痢が続く・・・

という人がよくいます。

 

そして、

透析患者さんはこのことを言ってくれないことが多い(>_<)

お通じはありますか?

という質問に、

「あります」

と答えます。笑顔で(^-^)

 

でも、

ありますの後ろには「下痢ですが」と続く可能性もあるので、

便の性状も確認することが重要で、

下痢が続いている場合には下剤の調整が重要になってきます

下痢のままでは十分な栄養吸収ができない恐れがありますからね(>_<)

 

たとえば、

アミティーザカプセルを24㎍から開始して、下痢が続くなら、

12㎍に変更してみたり、24㎍を1日置きに内服してみたり、

漢方の大黄甘草湯(ツムラ84番)なら1包に2入っているので、

2錠を毎食後では下痢になる⇒2錠を朝、夕食後だけにする⇒朝だけにする

⇒1錠を毎食後に⇒朝夕に朝だけに・・・

と、順次減らしていったりと、臨機応変に対応することも重要だと思います。

こればかりは、処方するドクターの考え方によりますが(;’∀’)

透析患者の便秘で重要なこと

 

便秘にも人それぞれの認識があります

『毎日出ないとダメ』

と思い込んでいる患者さんもいます(^^;)

なので、

1日おきや2日おきにちゃんと性状の整った便が出ているのなら、便秘ではないという認識をしてもらうことが大切。

 

なので、患者さんの「便秘やから下剤くれ!!」

と、言われた場合、

『排便回数』『便性状』

はセットで聞き取りが重要。

今朝は出なかった、昨日は出たのに

という場合は、様子を見るのもいいかもしれません。

 

私もそうでしたが、患者さんに説明する場合

『透析患者さんは便秘になって当たり前』

という認識をはじめから植え付けるような説明はしないほうが良いと感じました。

日ごろの排便状況の聞き取りをして、適切なタイミングで下剤を処方するのが良いですね(・∀・)b

 

便秘のリスクも多々あるのでそれを考慮して、透析患者さんの排便コントロールを行っていきたいと思います

まとめ

透析患者さんの下剤に関してでした。

ここでは透析患者さんの下剤に焦点を当てていますが、

便秘だから下剤使用

ではなく、その間の過程を試すことも重要

 

最近、下剤の検討をする機会が増えたので、ちょっと備忘録として下剤のみに焦点を当ててまとめています。

食事の改善や運動、マッサージをするだけで便通が良くなるケースもあるので、

まずは適切な方法を選択しましょう!!

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