ここ最近、
立て続けにシャント閉塞やシャント狭窄が起こり、
シャントの治療(シャントPTA or シャント再建術)で入院される患者さんが多いです(^^;)
シャント治療に関してまとめようと思ったのですが、
その前に、シャントに関してまとめていない( ゚Д゚)
となったので、透析患者さんのシャントに関してまとめておこうと思います(^-^)
しかも、すごく簡単に( ̄▽ ̄)
透析患者のシャントとは
透析患者さんのシャントに関して簡単にまとめます
透析患者さんにおけるシャントとは
⇒動脈と静脈を繋げているもの
シャントがなぜ必要になるのか?
⇒血液透析には多くの血流量が必要(150-250ml/min)で、静脈の血液流量だけでは足りない。
血液流量が多い動脈に静脈を繋げることで、静脈の血液流量を増やすことができる。
シャントを作る場所
基本的には腕
タバチエ、関節部、前腕中ほど、肘関節部、上腕部
腕に作ることができない場合は
シャントの種類
シャントには4つの種類がある
・外シャント(今はほぼ使わない)
静脈と動脈を体の外でつなぐ
・内シャント
体の中でシャントを作成。自己血管を使う場合と人工血管を使う場合がある
・動脈表在化
シャントを作れない場合や新機能が悪い場合に使用。
深くにある動脈を穿刺しやすいように表在に押し上げてくる(手術で)
・カテーテル
内頚静脈、鎖骨下静脈、大腿静脈に管を入れる方法
シャントの作成時期
急性腎不全等でそのまま透析導入・・・ではない限り、シャントは予め作成しておく
基本的には透析導入の3-4週間前
理由は、シャントを作成してすぐでは、静脈の発達が悪いため
3-4週間後にシャントが発達しているのを確認し、穿刺を行う
シャントのつなぎ方
シャント作成をするときの動脈と静脈のつなぎ方
端側吻合が一般的
動脈の側面に静脈の端を繋げる方法。
側側吻合もあるが、この場合は動脈の抹消側を結紮することが多い
シャントの合併症
シャントの合併症はいろいろある
シャント閉塞
シャントの静脈側が血栓により詰まる
シャント狭窄
シャントの静脈側や吻合分の血管径が細くなり、血液流量が不足してくる
狭窄部が返血側よりも中枢の場合は静脈圧が上がる
スチール症候群
指先に流れる血液の量が減り、指先がしびれたりする症状。
重症の場合は指が壊死することも・・・
静脈高血圧症
静脈の中枢側に狭窄があり、静脈内の圧が高くなり、腕が腫れる
手のひらだけが腫れる場合、ソアサム症候群と呼ばれる
感染
人工血管に多い。穿刺時や止血時に感染することがある。
シャント管理
シャント管理は看護師、臨床工学技士ともに重要な仕事の一つ
日ごろからシャント音・シャントスリルを注意深く観察することが重要
定期的なエコーを使った管理も効果的。
シャント音
ザーザーと連続音がしていることを確認。
ザッザァと断続音、ヒューヒューと口笛のような高音の場合は狭窄が疑われます
無音ではシャント閉塞
シャントスリル
手で触ったときに感じる血液の流れ、吻合部に近いほど感じやすい。
いつもよりも弱かったり、消失している場合には狭窄や閉塞が疑われる
透析患者さんがシャントで注意する点
透析患者さんも日ごろからシャントに関して気を配る必要があります
・シャント側を下にしたり、腕枕にして寝ない
・バッグや買い物袋等をシャント肢にかけない
・シャント側で血圧測定をしない
・手首のしまっている衣類を避ける、腕時計は逆側に
など、シャント肢に負荷がかかるよなことは避けるようにする
シャントの寿命
これは人それぞれ。
シャントを作って数時間、数日で閉塞する場合もあれば、
何十年も治療をしない患者さんもいます
こればかりは血管の状態によって変わってくるので、
一概に寿命がどれくらいというのは言えません。
重要なのは日々の管理と早期対応になります。
まとめ
透析患者さんのシャントに関してざっとまとめました。
詳しくはぼちぼち別にまとめていこうと思います(^^;)